2018.10.05
10月といえば、片貝中学校での教育講演会。
同窓会と東京片貝会さんが企画する、片貝版の『ようこそ先輩』です。
毎年、50歳を迎えた学年の中から1人の”先輩”が選抜され、
後輩の現役中学生たちに向けて、自身の仕事や中学生当時の思い出などをお話ししてくれます。
お祭りからちょうど1ヶ月が経とうとする5日、
片貝中学校第37回卒業の、砂山和之さん(日立造船株式会社)が母校を訪れました。
砂山さんは、リチウムイオン電池をさらに進化させた、”次世代の電池”と期待される「全固体電池」の開発責任者。
※全固体電池は、プラスとマイナスの両電極を繋ぐ”電解質”を工夫することで、これまで以上のパワーと安全性を実現する電池、らしい。
国内の自動車企業を始め、JAXAやGAFA(グーグル、アップルなど)での実用化も…とのこと!
(まだ、明言はできない感じが、リアルでした)
「最先端の研究を通して見える未来」という講演タイトル。その未来予想は、後輩たちを驚かせ、大いに好奇心を抱かせる内容でした。「20年後の未来について話している人たちと一緒に仕事をしている」という言葉からも、砂山さんの活躍の最先端ぶりが伺えます。
在住して30年になるという大阪弁でのトークに、みるみる引き込まれていった会場。
「悪い未来を想像すると、悪いようになる。そうじゃなくて、いい未来を想像すれば、未来もよくなる」
片貝中の理科の先生から勧められ熱中したSF小説との出会いから、研究者を目指した15歳当時。
「好きなことをやっていたらいつの間にか仕事になっていた」と語る50歳の今。
1時間超の講演もあっという間の、”未来”へのタイムスリップ体験でした!
今では、中学生だけでなく小学6年生たちも参加する教育講演会に。鳴り響く拍手の中、花束が渡されていました。
第33回を数えた今回。体育館入り口には、歴代の講演者を紹介する東京片貝会さんによる記事の一覧も。
実は、これまでにも「電池」のお話をしてくださった先輩がいます。東京片貝会の会長も務められた、佐藤祐一さん(東芝を経て、神奈川大学工学部教授、2010年退官)です。奇しくも、同じリチイムイオン電池の開発者なのだとか。化学の同分野で最先端の人物が片貝から2人も出られていたとは、不思議なご縁といえそうです。
江戸時代には、発色火薬をいじって新作花火の工夫に苦心していたであろう、片貝人らしさもあるのかもしれません(笑
いずれにしても、砂山さんもやはり片貝出身のお祭り人。
50歳厄年の翼進会さんとして、もちろん今年の片貝まつりでは大スターマインの打ち上げに参加されたそう。
同級生の皆さんもたくさん駆けつけ、退場シーンでは「立派になったねぇ」という嬉しげな声も聞こえて来る、ハイタッチの花道ができていました。
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「花火のち晴れ」は、花火のふるさと“カタカイ”の日々を記録する日記のようなものです。いつもの静かな朝から、熱狂的なお祭りの夜まで。どこにでもありそうで、世界のどこにもないかもしれない、この町の姿を伝えていきます。