じゅん太の花火 -小さな先生が込める思い-

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「あなたは花火に、どんな思いを込めますか?」

一瞬、質問の意図を不思議に思う人もいるでしょう。しかしある町では、何気ないこの難問に、5歳の男の子が挑戦。初めての経験を前に、彼なりの答えを出してくれました。

小正月の伝統行事 「サイノカミ」 の夜、地元の若手が企画したささやかなビンゴ大会で見事一等を引き当て、景品の尺玉(10号玉)花火を打ち上げることになった令和元年のラッキーボーイ、じゅん太くん。

片貝花火(奉納煙火)の申し込み期限が迫るなか、夏休み中のじゅん太くん家に、おじゃましました。

ところが!

じゅん太くん、なかなか筆が進みません。

お父さんのケントさん 「昨日は『パパ決まったよ〜』なんて明るく言ってたんですけどね‥‥、すねちゃったかな」

たった25文字とはいえ、いざこれで決定!となるとトタンに、様々な思いがぐるぐると巡ってしまうよう。

そもそも、初体験と知りながら、こんな難問をふっかけてしまっている私たちも少し反省。。。やはり5歳の男の子にはまだ尺玉は早かったのか・・・・

そんなことをこちらも思いながらも、優しいお母さんからお茶を出していただき、ごくごく。お祭り好きなお父さんに先祖代々のお囃子道具を見せていただき、うはうは。ときおりお菓子や美味しい桃をいただきながら、待つ。

つかの間、大物作家さん(先生)に原稿を催促しに行く編集者の気分を体験させてもらいました(笑)

そして最後には、小さな先生はお母さんに別室へ誘導され、世俗を一度断ち切り、心穏やかに申し込み用紙と向き合ってもらうことに。

するとしばらくして!

(じゅん太先生・・・・! あ り が と う ご ざ い ま す!!!)

思いのこもった奉納煙火申し込み用紙をしかと受け取り、私は、小さな先生のお家をあとにしました。帰り際、先生自ら玄関まで見送っていただき、「良い花火を!」とドアを閉めるとさっそく、軽快な5歳男子の足音が向こう側から聞こえていました。

じゅん太くんの花火は、片貝まつり2日目の9月10日夜、大空に打ち上がります。

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「花火のち晴れ」は、花火のふるさと“カタカイ”の日々を記録する日記のようなものです。いつもの静かな朝から、熱狂的なお祭りの夜まで。どこにでもありそうで、世界のどこにもないかもしれない、この町の姿を伝えていきます。

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