2020.12.21
待ちに待った東京オリンピックイヤー「2020年」
夏には日本が中心となって世界中が熱狂するはずだった。
思いがけない新型ウィルスが日本にも上陸し、3月には東京オリンピック開催延期決定。
4月に緊急事態宣言が出され、国民は自粛生活を余儀なくされた。
全国各地で続々とイベント中止が発表され、5月中旬には片貝まつりの縮小開催が決まった。
縮小開催の内容は、浅原神社の神事のみを執り行い、奉納煙火(花火)をはじめとする賑わい行事が中止というもの。『花火のまち片貝』から花火が失われた瞬間だった。
しかしその決定を受けて、簡単には「しょうがないな、花火は来年までお預けか」とはならなかったのだ。
立ち上がったのは、片貝で生まれ育った花火好きたち。
「花火が見たい!」という気持ちはもちろん、
「花火大会の相次ぐ中止によって大打撃を受けている、町の花火屋さんを守りたい」
「今年の片貝まつりで花火奉納を予定していた人たちに花火を打ち上げてほしい」
などそれぞれ想いをもって集結し、6月『片貝花火サポーターズ倶楽部』が発足。
誰でもプライベート花火が打ち上げられる『みんなの想いが花咲くまち片貝プロジェクト』を期間限定(6月から10月の間)でスタートさせ、その月の15日にはプロジェクト第1号の花火が打ち上がった。
出だしはなかなか申込みがない日もあったが、徐々に申し込みも増え、最終月の10月にはほぼ毎日のように花火が打ち上がった。
合計100組を超える奉納者、中には毎月決まった日に花火を奉納してくださる方も。
これまでに奉納してくださった方は幅広く、
地元の同級会、全国の花火ファン、市内企業、著名人、YouTuber、アイドルやアーティストのファン、ゆるキャラ などなど
世界中からクラウドファンディングで花火代を集め、個人で花火大会を開催する方まで現れた。
(個人で世界中から協賛を募り花火大会「ONLY in JAPAN」を企画したジョン・ドーブさん)
(片貝まつりの前々夜、花火に合わせて片貝の伝統しゃぎりを奉納してくれた「シャギルンジャー」の皆様)
花火に込める想いも多様だった。
「結婚祝い」「出産祝い」「厄年満願」「追善供養」「商売繁盛」「健康祈願」をはじめ、今年ならではの、「コロナウィルスの早期収束」「花火業界へのエール」「花火大会の復活祈願」「東京オリンピックの開催祈願」など。
世界的な不景気で企業経営や家計も厳しいなか、片貝町のために、花火屋さんのためになるならと花火を打ち上げて下さる方も多かった。
(それぞれの花火玉に奉納者が込めた「想い」を貼った)
町内の皆様からも、応援していただけた。
「いつも花火で元気づけられているよ」
「今度はいつ花火が上がるの?」
そんな声を多くかけてもらい、より一層熱が入った。
内心、こんなご時世に花火を上げることへの批判も覚悟していたが、余計な心配だったようだ。
(コロナウィルスの拡大によって結婚式を延期した夫婦に友人から贈られた花火)
今回のプロジェクトでは、全ての花火を写真と動画に収め、編集し、YouTubeにアップしている。
片貝花火サポーターズ倶楽部 YouTubeチャンネルはこちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCviM_Z8bbg_psOwgf8DKaCA
撮影を手伝っていただいたカメラマンたちや、動画編集をしていただいた方は、市外・県外在住の花火好き。花火の打ち上げ日には、車で片道1時間かけて片貝まで来てくれる方までいた。この方たちの情熱的な花火愛にはものすごく助けられ、たいへん感謝している。
(どしゃぶりの雨の中でも花火を打ち上げた)
数えきれないほど多くの方々からのご協力をいただき、6月から5か月、ほぼ休みなく花火を打ち上げることができた。なんとか、2021年まで花火の火を消さずにつなげそうだ。
ただ、まだ感染症は収束していないどころか、過去最多を更新し続けている。
令和3年の片貝まつりは開催できるのか。
まだまだ先の見えない長いトンネルは続きますが、どんな状況でも『花火のまち片貝』では多くの花火が打ち上がる!はず!
よいお年をお迎えください。
「花火のち晴れ」は、花火のふるさと“カタカイ”の日々を記録する日記のようなものです。いつもの静かな朝から、熱狂的なお祭りの夜まで。どこにでもありそうで、世界のどこにもないかもしれない、この町の姿を伝えていきます。