つながった、片貝の伝統“しゃぎり”

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片貝まつり賑わい行事が2年連続中止。

 

この決定はとても悲しく、心にぽっかり穴が空いたような感覚になったが、

年々受け継がれる伝統には、穴を空ける訳にいかないのです。

 

片貝の小中学生たち(小若衆)は、毎年蒸し暑い夏の間、夜な夜な笛や太鼓を練習する。

9月に控えた浅原神社秋季例大祭のお囃子コンクールで練習の成果を披露するためだ。

 

片貝のお囃子は、『しゃぎり』と呼ばれ、大きく分けた6つの町内によって曲目は様々で、同じ曲でも町内が違えば、節回しが違ったりする。

 

楽譜が無いため、代々町内の世話人若衆が子供たちに手取り足取り指導し、ここまで伝統をつないできた。

 

 

町内によっては、少子化が深刻で小学校低学年から通っていたりするので、世話がやけるのです。その一方で、子供が多い町内は、コンクールに出れるか出れないかのスタメン争いが熾烈なんだとか。

 

昨年、今年と新型コロナウイルスの影響により片貝まつりが中止となっているが、若手町民有志の尽力もありお囃子コンクールが開催することができた。

 

 

やはりお囃子の音を聞くと心が躍るし、一生懸命演奏する子ども達の姿はグッとくる。

 

今年の優勝は『い組小若』。層の厚さと高い演奏力で、昨年に続き2連覇を果たした。

 

仕事の疲れが残る中、子供たちの指導をしてくれた若衆への感謝と労いとして、町の商工会から町内飲食店で使える食事券や、コンクール終了後には花火が贈られた。

 

 

「小若」(小中学生)で“しゃぎり”を教わり、

「若」(高校~25歳頃まで)で熟成させ、

「世話人」(若卒業後~)となり小若に教える。

 

そうやって片貝のお祭り文化は受け継がれていく。

近年は様々な事情(指導者の減少や子供の減少、お祭りの中止など)によってたびたび途絶えそうになるが、今年も何とか持ちこたえた。つながった。

 

来年こそは、片貝まつりで。

 

 

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