漆喰の浪漫 鏝絵の世界

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3月15日(木)晴れ

ぽかぽか陽気が最近とてもうれしいです。しかし、急に暖かくなったので身体が追いつかず、朝によくお腹が痛くなります。最高温度20℃は急激に上昇しすぎだよって思うんですが、このままの調子で春になっていってほしいなと思います。

さて、今日なんですが片貝のある芸術家の家にいってきました。今日行ってきたのは、漆喰で「鏝絵」(コテえ)という作品を作られている黒崎剛さんのご自宅です。

前にも投稿したことがありますが、剛さんの浪漫のある世界感といいますか、完全に虜になってしまったんですね。「家にはまだ作品が沢山ある」とのことで、どうしても見たいと思った私は電話をして今日、ご自宅にお邪魔させていただきました。

ご自宅に入ると早速鏝絵がかざってありました。

これも「宇宙」をモチーフに作られた作品。

「作品は車庫にあるんだ」そう言って一回家を出て下に。車庫の中に入ると壁つたいに作品が置いてありました。

壁一面に広がる漆喰の世界。
一つ一つ、見とれてばかりで、とても広い車庫でもないんですが壁つたいに歩いて一周するのに15分かかってしまうくらいに作品を感じていました。
抽象画ばかりかと思うとなにか見覚えのある建物を作った作品が一つ
隣の長岡市摂田屋にある「機那サフラン酒本舗」
国指定の有形文化財であるその蔵は鏝絵が存分に描かれ、圧倒的存在感とともに大切に保存されています。

「私の鏝絵は全部ここからはじまっているんだ」

私がしゃがんで作品に見とれていると、後ろからその声が聞こえてきました。
黒崎剛さんはずっと左官職人でした。仕事を退職し、サフラン酒本舗を見に行って鏝絵を始めようと、サフラン酒本舗を描きたいと想いたち10年前から初めたそうです。
ときに宇宙をモチーフに作品をつくり、故郷をモチーフにしたり、左官職人時代からの熟練の技を芸術に昇華させた作品は一つ一つに計り知れない奥行きを感じます。その背景に心奪われているのかも知れない。



色のある作品もさながら、色のない作品はその白さの美しさに惹かれます。


また、この「牛の角突き」を描いた作品「闘魂」
この作品を紹介している剛さんは写真の通りとても笑顔なんですね。どういうわけか聞くとこの奥の作品は「全国漆喰鏝絵コンクール」で最優秀賞に選ばれた作品なんだと
嬉しそうに話してくれました。

「ふるさとをモチーフにした作品が全国で一番の賞をとった。それが嬉しいんだ」

誇らしく少し照れくさそうに、そう言って車庫をでていきました。

ずるいな、かっこよすぎる。

そんなに大きくない後ろ姿にとてつもない奥行きと偉大さを感じていました。

長居すると悪いなとおもっていたのですが
「お茶のんでいくか?」とお誘い頂いてまだ話したかった私は惜しげもなく「いいんですか?」と
図図しくお邪魔させていただきました。

中に入って、コタツにあたると

「いや、に組だってきいたからよ」といって剛さんはいきなり立ち上がりある写真をもってきました。

約60年前の片貝まつりの写真。今剛さんは四之町にすまわれていますが、昔は茶畑に住んでいて「に組」だったと。
そして、支部長を3年間もやり、思いはに組にやっぱりあると。(右の写真は中央で弓張を降っているのが剛さん。左は一番右の方)

「お前さんもに組ってきいたからよ。これはよく考えたら妻にもみせたことないな」と

写真をよく見るといろんな方が写っていました。(佐藤佐平治、本田善治、他にも)
貴重な写真だなと深く感銘をうけていました。

また、剛さんは片貝の「巫女爺」をずっとやってこられてきた方で、その文化を残そうとこのような本も書かれていました。
よくよく「浪漫」という言葉が鏝絵のタイトルにも使われていて、きっとロマンチストなんだと。いや、間違いない。

「何かを残す。記録する。やっているときは誰からも見向きされねえが、段々ときが経ってくると興味をもつやつがいるんだよな。だから意味があるんだよ。」

私の活動も記録すること、残すこと。確かに時として「誰のため?何のため?」見失いそうに鳴るときもありますが、剛さんのこの言葉をきいて励まされたような気がします。

作品に圧倒され、貴重な写真を見て、記録や残すことの意味を話していただき、今日はなんだか心が洗われた気分です。
またお邪魔できたらと思うと同時に、鏝絵ちょっとやってみたいと思ったのでした。

それでは。

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