2018.07.27
翼翔会(よくしょうかい)は片貝中学校の第45回卒業生。男女半々の約70人だ。
42歳の厄年記念行事として、9月10日の片貝まつり2日目に花火を奉納する。
事務所は浄照寺の裏手、光武会の空手道場とひと続きの空き物件。
広い、がエアコンがないため暑いようだが、3台の扇風機がフル稼働。皆さん表情は涼しげ。
壁にずらっと貼られているのは、事務所に訪れる各同級会や個人から受け取ったお祝い品の”のし紙”。
”支部回り”が始まる頃にはさらに増えているという。律儀な扇風機に煽られていた。
翼翔会会長の本田敦さん。ご本人曰く「”アツシ”はバービーボーイズと同じ漢字」。
突然の来訪にも、何杯ものビール、清酒で歓迎してもらった。
片貝まつりを一言で言うなら?とあえて質問すると、「狂ってる」との回答(笑
「だって、ちょっと上の世代まではだいぶすごかったんだから」
男の厄年と言われる”シジュウニ”。20歳のお祭りからさらに時を重ねて42歳。
人生もいろいろだ。部長や屋台部長など、働き盛りの各”部長”たちを揃えて記念行事を準備している。
片貝で42歳が特別な年齢であるのには理由がある。
それは、同級会オリジナルの半纏を作るという一大行事があるから。
以降のお祭りで身に纏う、生涯でたった1つの半纏(はんてん)を自分たちでデザインする。
「半纏が一番もめるっていうよね」
「けっこう悩んだ」
それだけ、こだわりと思い入れを歴代の同級会が背負ってきた。
「でも、手にとってみたら、いいなと思って」「うちらはそんなにもめなかったよね」
藍染の半纏を仕立てたのは、表三之町の染物屋・紺仁(こんに)さん。
「気づいた?」と襟柄に注目。斜めに走る線が4本、5本と左右で異なっていた。
第45回卒業の自分たちのナンバーを入れ込んだ。
「藍染で、しかも衿柄(えりがら)を入れたのは42だと俺らが初めてらしいよ」
他にもこだわりがたくさん。自慢の1着になっていた。
こちらは恩師に着てもらう用の翼翔会半纏。
片貝まつりに小中学校時代の担任を招待して、大人になった姿を見てもらうのが恒例に。
先生にとっても、片貝で担任になることは大きな出来事かもしれない。
本田会長の半纏さばきがかっこいい。
出来立てということもあり扱いは丁重、背筋を伸ばしてしゃっきりと着こなす。
新しい翼を手に入れたかのようだ。
翼翔会といえば、地域おこし協力隊の佐藤勇介くんのお母さんも。(似てる!)
平日はいつも数人というが、準備は順調。
「今度からは木曜休み」にして、お盆過ぎからの最盛期に備える。
冷蔵庫が強力すぎて、ビールがフローズン状態で楽しめるというハプニングも。
総務部長の品田さんも酔ってきていい感じにポーズ。
同級生からは「ドS」と呼ばれていましたが、そんなことあるんでしょうか?(笑
あと「カッパえびせんチャレンジ」という過酷なゲームが流行っていました(笑
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「花火のち晴れ」は、花火のふるさと“カタカイ”の日々を記録する日記のようなものです。いつもの静かな朝から、熱狂的なお祭りの夜まで。どこにでもありそうで、世界のどこにもないかもしれない、この町の姿を伝えていきます。